現在、クリニックでは萎縮性腟炎の治療・予防として下記の3つを提案しています。
① ホルモン補充療法(HRT)
痛みの原因が萎縮性腟炎の場合は、女性ホルモンのエストロゲンが含まれている腟坐薬を挿入する局所療法、あるいはエストロゲンの全身投与であるホルモン補充療法(HRT)が根本的な治療法です。
② レーザー治療
近年、選択肢のひとつとして注目されているのが、顔のたるみの改善やリフトアップのために使われてきた技術を腟壁に応用した、炭酸ガスレーザーによる治療です。腟内に専用の機械を挿入し、専用のレーザーを数分間照射して刺激を与え、腟粘膜の細胞を活性化させて厚みや潤いを取り戻します。
施術中は多少違和感がある程度で、痛みや出血はほとんどなく、1回である程度の効果を実感できることがメリットですね。すでに、海外ではスタンダードな治療になりつつあり、今後は国内でもさらに広がっていくと思います。
③ 自宅での正しいデリケゾーンケア
デリケートゾーンのケアにおいては、
・腟を良い状態に保つ常在菌を洗い流さないこと
・必要な潤いを残して腟内を酸性の環境に保つこと
がポイントです。
ソープを選ぶ場合は、まずpH値(5.0~7.5)に調整された物を選ぶといいでしょう。一般的なボティソープのpH値が9.0~11.0に対して、腟内は外界から子宮に雑菌が入ってこないよう、pH3.8~4.5の弱酸性で保たれています。
そのため、ボディ用に作られたアルカリ性のソープでは洗いすぎになり、腟を守る常在菌まで奪ってしまいます。かといって腟と同じpH値だと、汚れがきれいに落ちない可能性も。
デリケートゾーンの肌環境にこだわったケア用品であればpH値が書いてあるはずですから、パッケージを確認してみてください。