エストロゲンレセプターのスイッチを薬、サプリメントの力を借りてONへ。
全身にある「エストロゲンレセプター」のより詳しい場所
レセプターαが多い:乳腺、子宮、卵巣、副腎、腎臓 など
レセプターβが多い:骨、血管壁、脳、肺、肝臓 など
●HRT(ホルモン補充療法)
エストロゲンを補う治療法。HTR(ホルモン補充療法)の主な効果は、更年期障害の改善、骨密度の増加、動脈硬化の進行予防です。 HRT(ホルモン補充療法)はエストロゲンの欠乏により引き起こされる症状に対して、エストロゲンそのものを補うことにより軽減させる治療法で根本治療ともいえます。
HRT(ホルモン補充療法)は年齢や症状、月経の有無、子宮の有無、閉経後の年数など状況に応じて投与方法はかわります。
HTR(ホルモン補充療法)の副作用として乳がんや子宮体がんを心配される方がいますが、黄体ホルモンを併用することで子宮体がんのリスクはHRT(ホルモン補充療法)をしていない人と変わりません。また、乳がんに及ぼすHRT(ホルモン補充療法)の影響は肥満や喫煙など生活習慣によるリスクより小さいと考えられています。
*HRT(ホルモン補充療法)の処方は医師の診断が必要です。
●エクオール
エクオールの構造はエストロゲンととても似ているため、全身で女性ホルモンと似た働きをします。HRT(ホルモン補充療法)は、エストロゲンレセプターα、βの両方に作用しますが、エクオールはエストロゲンレセプターのβに優位に働きます。骨、血管、脳などに働くことを得意とする一方で、子宮や乳腺への影響が少ないというメリットがあります。
エクオールは大豆イソフラボンが腸内細菌で代謝され産生されます。日本人では腸内で作る力がある人は1/2〜1/3程度です。エクオールはサプリメントで摂取することが可能です。
●漢方薬
根本的な体質、性質を改善したい人におすすめです。症状に対しての適応が保険処方でできるのである程度簡単に処方ができるようになっています。
以下に3つの方法をタイプ別にまとめてみましたので、ぜひ参考にしてください。
・HRTの効果が期待される人
閉経の前後数年から10年くらいの間。即効性を期待したい人。
とくにほてりと発汗がひどい。体の不調全般が重いと感じる
・エクオールの効果が期待される人
40歳以上
定期的な通院が難しくセルフメディケーションで対応したい人
冷え、不眠、疲れ、物忘れなど。精神的な不調や漠然とした不調が強いと感じる
・漢方の効果が期待される人
どの世代でも有効
根本的な体質・性質改善を行いたい。薬を継続して飲むのが苦ではない人
慢性的な冷え、むくみ、ほてり、不眠。閉経前後によらず、体質的・精神的な不調傾向がある人
この3つは組み合わせることも可能です。組み合わせについては主治医にご相談ください。