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どうして?すべての人にフェムゾーンケアが必要な理由

  • フェムケア

年齢とともに肌質が変化するように、フェムゾーン(デリケートゾーン)にもさまざまな変化やトラブルが発生します。とくに変化に気づきやすいのは、女性ホルモンが減少してくる40代、50代ですが、20代や30代でもフェムゾーン(デリケートゾーン)の悩みはありますし、閉経以降の世代にも当然あることです。

今まであまり教えてもらう機会がなかったので、「こんなものだろう」とやり過ごしてしまう人が多いのですが、自分の体のこと。

今トラブルが特になくても、トラブルが起きる原因や正しいケアを知っておきましょう。

 

悩みとその原因

40代を迎えたあたりから、徐々に減少していく女性ホルモン。それにより、女性の体にはさまざまな症状が現れます。代表的な症状に、ホットフラッシュや頭痛、肩こり、気分の落ち込みなどがありますが、フェムゾーン(デリケートゾーン)の不調もそのひとつ。おもに、次のようなトラブルが考えられます。

 

①   乾燥

女性ホルモンには、肌や粘膜の潤いを保つ働きがあります。そのため、女性ホルモンが減少し始める更年期は、その作用が弱まり、肌だけでなく目や喉などが乾燥しやすくなります。フェムゾーン(デリケートゾーン)の皮膚や腟粘膜も例外ではありません。肌やのどの渇きを感じることが増えたな、と思う時、フェムゾーン(デリケートゾーン)も乾燥しているサインです。

 

②    細菌感染や炎症が起こりやすくなる

おりものには、腟内の潤いを保つとともに、細菌の侵入や増殖を防ぐ働きがあります。また、腟粘膜の上皮細胞に含まれているグリコーゲンは、粘膜といっしょにはがれ落ちてブドウ糖に変わり、さらに腟の常在菌によって乳酸に変わり、腟の中のpH(ペーハー)を酸性に保って細菌の侵入・増殖を防ぎます。

しかし、女性ホルモンの分泌が減ると、おりものや粘膜上皮細胞も減少するため、それらが持つ自浄作用の力も弱まってしまいます。その結果、細菌感染や炎症が起こりやすくなります。

 

③   尿漏れなどで肌が蒸れやすくなる

女性ホルモンが減少することによる影響は、腟だけでなく、膀胱や尿道にも現れます。更年期には、膀胱や尿道が萎縮したり、筋力が低下したりするため、尿漏れに悩まされる人も増えます。

また、尿もれパッドや生理用ナプキンなどの使用によって肌が蒸れやすくなり、細菌が発生して、炎症やかゆみにつながることもあります。

出産をきっかけに尿もれが気になるようになったり、いつも使っていたナプキンでかぶれるようになったり。デリケートな場所は、さまざまな刺激に常に触れている状態です。

基本のフェムゾーンケア

①   デリケートゾーン用のソープで洗浄する

腟内には、細菌の侵入を防いでくれる乳酸菌が存在します。フェムゾーン(デリケートゾーン)を清潔に保つために洗浄することは大切ですが、間違った洗い方をすると、本来必要な菌まで洗い流してしまいます。

皮脂や汗を洗い落とす一般的なボディソープはpHがアルカリ性で洗浄力が強い製品が多いです。フェムゾーン(デリケートゾーン)は、とても薄く、唇よりも薄いといわれています。体と同じソープでは刺激が強すぎるので、フェムゾーン(デリケートゾーン)用につられたものでやさしく洗うようにしましょう。

②   正しい洗い方を習慣化する

フェムゾーン(デリケートゾーン)の周りには尿道と肛門があります。雑菌や汚れはお尻の周りが最も多いため、フェムゾーン(デリケートゾーン)を洗うときは、トイレで尿や便を拭くときと同じように前から後ろへ洗いましょう。

また、腟口と尿道口の両側にある大陰唇と小陰唇のヒダの内側は、恥垢(ちこう)と呼ばれる白いカスのような汚れが溜まりやすいため、丁寧に洗うことを心掛けましょう。

 

③   保湿する

ついつい忘れがちなのが保湿ケア。乾燥を防ぐだけでなく、お湯ですすいで中性になっている肌をすばやく弱酸性に戻すためにも、専用品でのケアが大切です。入浴後は、タオルで軽く押さえるようにして水分を拭き取ります。その後、フェムゾーン(デリケートゾーン)用のジェルやクリームなどを使って必ず保湿をしましょう。

 

実はメンタル面でうれしいお声

フェムゾーン(デリケートゾーン)をした方から聞かれるのは、「イライラしなくなった」「自分を大切にするようになった」など、メンタル面でのよいお声です。初めは人に言いにくいトラブルがあって悩んでいたのに、続けていたら気持ちが前向きに。

年齢とともに体はさまざまな変化をしていきますが、一度立ち止まって、自分のケアを見つめなおすのも大切な時間です。その一つにフェムゾーン(デリケートゾーン)ケアがあるのです。