40代を迎えたあたりから、徐々に減少していく女性ホルモン。それにより、女性の体にはさまざまな症状が現れます。代表的な症状に、ホットフラッシュや頭痛、肩こり、気分の落ち込みなどがありますが、フェムゾーン(デリケートゾーン)の不調もそのひとつ。おもに、次のようなトラブルが考えられます。
① 乾燥
女性ホルモンには、肌や粘膜の潤いを保つ働きがあります。そのため、女性ホルモンが減少し始める更年期は、その作用が弱まり、肌だけでなく目や喉などが乾燥しやすくなります。フェムゾーン(デリケートゾーン)の皮膚や腟粘膜も例外ではありません。肌やのどの渇きを感じることが増えたな、と思う時、フェムゾーン(デリケートゾーン)も乾燥しているサインです。
② 細菌感染や炎症が起こりやすくなる
おりものには、腟内の潤いを保つとともに、細菌の侵入や増殖を防ぐ働きがあります。また、腟粘膜の上皮細胞に含まれているグリコーゲンは、粘膜といっしょにはがれ落ちてブドウ糖に変わり、さらに腟の常在菌によって乳酸に変わり、腟の中のpH(ペーハー)を酸性に保って細菌の侵入・増殖を防ぎます。
しかし、女性ホルモンの分泌が減ると、おりものや粘膜上皮細胞も減少するため、それらが持つ自浄作用の力も弱まってしまいます。その結果、細菌感染や炎症が起こりやすくなります。
③ 尿漏れなどで肌が蒸れやすくなる
女性ホルモンが減少することによる影響は、腟だけでなく、膀胱や尿道にも現れます。更年期には、膀胱や尿道が萎縮したり、筋力が低下したりするため、尿漏れに悩まされる人も増えます。
また、尿もれパッドや生理用ナプキンなどの使用によって肌が蒸れやすくなり、細菌が発生して、炎症やかゆみにつながることもあります。
出産をきっかけに尿もれが気になるようになったり、いつも使っていたナプキンでかぶれるようになったり。デリケートな場所は、さまざまな刺激に常に触れている状態です。