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「エクオール」の働きや効果とは?

  • ヘルスケア

更年期の女性の心身に起こるさまざまな不調の原因は、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの減少にあります。

できることなら、穏やかな更年期を過ごしたい。そんな女性に欠かせない存在として注目を集めているのが、大豆を食べた時に腸内で作られる「エクオール」という成分です。

しかし、エクオールを体内で生成する力には個人差があり、日本人女性の約3人に1人しか体内で作ることができないといわれています。

今回は、エクオールの働きやエクオールを作れる体作りについてお話します。

エクオールってどんな成分?

エクオールは、大豆イソフラボンが「エクオール産生菌」と呼ばれる腸内細菌によって代謝されてできる成分。女性ホルモンのひとつ「エストロゲン」とよく似た構造を持ち、似たような働きをします。エストロゲンが減少する更年期には、更年期症状の緩和に心強い存在といえるでしょう。

エクオールには、ほかにもさまざまな美容・健康効果があります。女性がすこやかに美しく、いきいきと毎日を過ごすために欠かせない成分こそがエクオールなのです。

エクオールに期待される効果
エクオールに期待される効果

エクオールを「作れる人」と「作れない人」がいる

以前は、更年期の症状を軽減したり、美しさを保ったりする効果は大豆イソフラボン自体にあると考えられていました。しかし、実際に力を発揮しているのはエクオールであることがわかった今では、大豆イソフラボンをエクオールに変換する腸内細菌・エクオール産生菌の働きがカギになると考えられています。

 

最近の研究では、ほとんどの人(約97%)がエクオール産生菌を腸内に保有しているにもかかわらず、実際にエクオールを産生できる人は少ない(約22%)という結果も出ています。

*Yoshikata R, et al.Menopause.2019;26:273-85

 

「自分はエクオールを作れているのかな?」「そもそも自分の腸内でエクオール産生菌は働いているのかな?」と思ったら、エクオール検査(ソイチェック)実施医療機関で検査してみましょう。検査方法は、尿検査だけなのでとても簡単。食事から取り入れた大豆は、エクオールに変換されても、ダイゼインのままでも、尿と便から排泄(排出)されます。そのため、採取した尿にエクオールが入っていれば、エクオールを作れていると判断できるのです。

また、病院へ行かなくても郵送でソイチェックが可能なキットも販売されているので、そういった物を利用するのもおすすめです。

エクオール郵送検査キット「ソイチェック」

エクオールを作れる人はどんな人?

エクオールを産生できる人とできない人の違いはまだ研究段階ですが、食事の内容と腸内環境、そして生活習慣が大きく影響していると考えられています。つまり、エクオール生成を促すには良好な腸内環境が欠かせません。腸内細菌のエサになる根菜、海藻、キノコなどの食物繊維を積極的に取り入れ、お腹の調子を整えましょう。

 

また、エクオールを作れる人と作れない人では、大豆を摂取する頻度に差があることがわかっています。ある調査によれば、ほぼ毎日大豆を食べる人の中には、エクオールを作れる人が約50%の割合で存在したのに対して、あまり食べない人はその半数以下にとどまりました。豆腐や納豆などの大豆製品をとる回数を増やすことも、エクオールを生み出す力を高めることにつながるといえるでしょう。

さらに、腸内細菌は一定ではなく、食生活やストレスの有無、睡眠時間、運動量などの影響を受けて変動します。規則正しい生活とバランスのとれた食事を心掛け、エクオール産生菌を活発化させましょう。

もし、「エクオールを作ることができない」という結果が出てもあきらめないで!エクオールを直接摂取できるサプリメントで補いつつ、腸内のコンディションを整えましょう。

1日10mgを目安に摂取すれば、必要量のエクオールをコンスタントに体内に取り入れることができ、常に体内にエクオールがある状態を作ることができます。