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おりものの色やにおいの変化でわかる、体の危険信号

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女性の体の状態を示す「おりもの」。

色や量、粘度が月経周期にあわせて変化することを感じている女性は多いはず。実際、おりものは女性ホルモン(エストロゲン)と密接な関係があり、年代によって量や状態に変化が表れます。特に、女性ホルモンが減少し始める40代以降は、これまでとはちょっと違った変化に戸惑うことも多く、婦人科に行くべきか悩むことも。

ここでは、おりものの色やにおいでわかるデリケゾーントラブルとその対処法についてご紹介します。

おりものの量は世代によって変化する

まずは年代ごとの、おりものの一般的な変化を確認しておきましょう。

徐々に量が減っていくため、体の変化に気づきにくくなることも。日ごろからおりものの状態を観察して変化に敏感になることが大切です。

 

<20代・30代>
女性ホルモンの分泌がピークを迎える時期で、おりものの量は多く、周期も安定している。


<40代>
女性ホルモンの減少に伴い、おりものの量が徐々に減ってくる。


<閉経後>
閉経から2~3年経つと女性ホルモンの分泌がほとんどなくなるため、おりものが出なくなる。腟内が乾いて自浄作用が弱まり、腟炎を起こしやすい。炎症によって、これまでと異なる黄褐色のおりものが出ることも。

 

おりものの正常なにおい・危険なにおいの違いとは?

おりもののにおいは、健康な状態であれば、腟内は酸性に保たれているため、少し酸っぱいようなにおいがすることがあります。これは、特に気にする必要はありません。

ただし、においが通常よりも強く感じられる場合は、何らかの原因で免疫力が低下して雑菌が繁殖していたり、尿や便などの汚れが落ちていなかったりする可能性があります。

いつもと明らかに違うにおいや悪臭がするときは、細菌性腟炎や性感染症などの病気が潜んでいるかもしれません。生臭さや刺激臭を感じたら、できるだけ早く婦人科を受診してください。

おりものの色でわかる体の危険信号

いつもは透明から乳白色のおりものが、茶褐色やピンク・赤に近い色、黄色~緑っぽく変化した場合は、病気が隠れている可能性も。

下記の図のように、明らかな色の変化があるときは疾患の可能性を疑い、腹痛や発熱、不正出血などがないかといった体調の変化も見ながら、婦人科を受診しましょう。

 

更年期の女性が注意したいおりものの変化

更年期の女性に多いのが「萎縮性腟炎」です。発症すると、おりものに変化があらわれ、悪臭がしたり、色が変化したりすることがあります。

 

健康な腟は、肌と同じように細胞の新陳代謝によって自浄され、酸性の状態を維持しています。このとき、グリコーゲンという物質が粘膜とともにはがれ落ち、腟の常在菌によって乳酸に変わることで腟内のpH(ペーハー)を酸性に保ったり、細菌の侵入や増殖を防いだりしています。

ところが、年齢とともに女性ホルモンの分泌量が減ると、腟粘膜の萎縮や腟の乾燥が起こるほか、グリコーゲンも減って、腟は次第に酸性を維持できなくなってしまいます。こうして腟の自浄作用が低下し、炎症が起きた状態が萎縮性腟炎です。

萎縮性腟炎になると、腟壁が薄くなって乾燥したり、腟自体が萎縮したりして、痛みやかゆみといった症状が起こります。

さらに、腟を守るグリコーゲンが減ることでバリア機能が失われて抵抗力が落ちるので、デリケートゾーン周辺に常在している大腸菌などの雑菌が腟に入り込んで繁殖し、おりものから強い異臭がする細菌性腟炎に発展する場合もあります。根本的な解決を図るには、ホルモン補充療法(HRT)、もしくは女性ホルモンが含まれている腟坐薬などで、治療をすることもあります。

 

 

おりものの観察とともに大切なのは、日ごろのデリケートゾーンケア。大切にケアすることで、変化にもより気づきやすくなります。

洗いすぎると腟のバリアがはぎ取られ、萎縮性腟炎と同じ状態になってしまう可能性も。洗浄力が強いボディソープではなく、デリケートゾーン専用の洗浄剤を使って、優しく洗うことをおすすめします。

更年期以降に起こるデリケートゾーンのヒリヒリ・違和感、萎縮性腟炎かも?