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ダイエットにも効果的?!オトナ女子が基礎体温をつけるメリット

  • 40~50's
  • 60's〜

基礎体温は、妊娠を希望する女性が排卵日を知るためにつけるのもの、と思っていませんか?

じつは、基礎体温からわかることは、排卵日だけではありません。

30代後半以降の女性にとって、基礎体温は女性ホルモンの変化にいち早く気づけたり、心身のリズムを把握することで痩せやすい体づくりができたり、美容や健康のためになる情報がたくさん詰まっているのです。

今回は、40代以降に起こる基礎体温の変化と、基礎体温を知ることによるメリットについてお話します。

 

30代後半以降、基礎体温はどう変化する?

基礎体温とは、朝起きて体を動かす前に測る、安静時の体温のこと。毎日計測してグラフにすることで、自分が今「高温期」にいるのか、「低温期」にいるのかを判断することができます。正常な場合、女性の体温は0.3~0.5℃のあいだで周期的に変化します。

こうした体温の変化には、女性の体内で分泌されている女性ホルモン、エストロゲンとプロゲステロンが関係しています。

低温期にはエストロゲンの分泌量が増え、ピークに達すると排卵が起きます。排卵を境に、今度はプロゲステロンの分泌量が増えていき、基礎体温は上がって低温期から高温期へ。このサイクルを約2週間ごとに繰り返すため、基礎体温が低温期と高温期の二相に分かれていれば、排卵がきちんと行われているといえます。

 

しかし、20代から30代半ば頃まで、低温期と高温期が0.5℃くらいの差できれいに二相に分かれていたものが、30代後半以降は高温期が短くなったり、低温期が長くなったりし始めます。

また、低温期から高温期へと切り替わる際も、20~30代半ばまでは排卵後1~2日で急激に体温が上がっていたものが、30代以降ではなだらかに上昇していくようになります。さらに、高温期の体温が不安定になったり、低温期と高温期に明確な差がなくなったりすることもあるでしょう。生理周期が短くなったり長くなったり、これまでと違う周期が続くようであれば、それは更年期の始まりのサインかもしれません。

そして、多くの人が50歳前後で迎える閉経後の基礎体温は、高温期がなくなって低温期のみになり、安定した状態で推移します。

年代別、基礎体温の変化
年代別、基礎体温の変化

基礎体温をつけるメリット5選

普段から基礎体温をつけておくと、自己管理の目安になるだけでなく、生理周期が乱れたり不正出血が起きたりして婦人科の診察を受ける際にも役立ちます。ここでは、基礎体温をつけるメリットを5つ紹介します。

 

①病気発見の手助けになる


基礎体温をつける際、体温のほかに生理の周期や出血量、おりものの量、便の状態、肌の状態や体調なども併せて記録しておくと、ちょっとした変化から黄体不全や子宮内膜症といった病気のサインを発見できる可能性が高まります。不正出血には、子宮筋腫や子宮体がん、子宮頸がんが隠れている疑いもあるので、早めに婦人科を受診してください。

 

②早発閉経の兆候に気付きやすい


基礎体温の動きから、日本人の平均閉経年齢より早い40歳未満で閉経する「早発閉経」の兆候も早期に発見することができます。早発閉経になると、ほてりやイライラ、めまいなどの若年性更年期障害が現れるほか、骨粗しょう症や動脈硬化のリスクも高まるため、できるだけ早く婦人科を受診しましょう。

 

③医師への症状の説明がしやすい

 

更年期症状の疑いで婦人科を受診する際、「いつ頃から、どんな変化があったのか」をわかりやすく説明するためにも、基礎体温の記録は有用です。

基礎体温が不安定になったからといって基礎体温の計測をやめてしまうのではなく、記録し続けることをおすすめします。

 

④心身のリズムが把握できる


基礎体温は、体や心のリズムと密接に関わっています。イライラする、落ち込むといった心の不調、便秘や肩こり、乳房の張り、吹き出物が出やすくなるといった体の不調が、ひと月の中でいつ頃起きているのかがわかれば、排卵や生理開始のタイミングを目安にしてトラブルに備えることができるでしょう。

 

⑤太りやすい時期がわかる


高温期は、水分を蓄える作用があるプロゲステロンの影響でむくみやすくなります。食欲が増すほか、メンタルの不調から過食ぎみになる時期でもあるので、ダイエットには不向き。

効果的にダイエットをするなら、エストロゲンが分泌される低温期がおすすめです。

基礎体温を習慣に

基礎体温は、ホルモンの影響を受けやすい女性にとって、体の中で起きていることを教えてくれる重要なバロメーター。特に、女性ホルモンが減少し始める30代後半以降は、基礎体温の変化から早めに更年期のサインをキャッチすることで、自分に合った対策ができ、すこやかな毎日を過ごせるでしょう。

婦人科の診療を受ける際の判断材料として、より的確な治療を選択する手助けにもなりますので、自分の体と向き合うために基礎体温をつけることを習慣化してください。