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卵巣がん、予防と早期発見に大切なこと

  • フェムケア

近年、ライフスタイルの変化により少子化が進み、女性ひとりの体におこる月経回数は生涯で450回にものぼるといわれています。その数は100年前の女性のなんと9倍。

本来、妊娠・出産の時期には休んでいる卵巣ですが、その期間が無い、または少ない場合は、排卵のたびに卵巣が傷ついては修復するの繰り返しで疲弊してしまいます。その結果、いま卵巣がんになる女性が増えているのです。

卵巣は、骨や皮膚などを美しく健康に保つためのホルモンを出してくれる、女性にとって大切な臓器。

 

今回は大切な卵巣を守るため、早期発見のために気を付けたいことのお話です。

卵巣がんはどのような病気?

卵巣がんは、骨盤の奥深く、子宮の両脇にある卵巣に発生するがんです。40代から増え始め、50代から60代でピークを迎えるとされています。

卵巣にできる腫瘍のうち、約85%が良性で、約15%が悪性(卵巣がん)といわれています。

もし卵巣がんと診断された場合、手術で卵巣を摘出することが一般的です。その他の重要な治療法として抗がん剤を使った化学療法があります。

卵巣がんは痛みなどの自覚症状が乏しいため、「おなかがぽっこり出てきた」「なんとなく下腹部に違和感がある」といった変化を感じて受診したときには、かなり進行しているケースが多い病気です。下腹部痛、排尿、排便での不快感などの症状があれば、特に閉経後には気軽に婦人科での受診・検査を受けることが大切です。

卵巣がんを早期発見するには

卵巣がんを見つけるには、内診と併せて経腟超音波(エコー)検査を行い、卵巣の腫れや腫瘍の有無、腫瘍があればその場所と大きさをチェックする必要があります。

経腟超音波(エコー)検査は、腟の中に指の太さほどの器具を入れ、卵巣の大きさや腫瘍の有無などを詳しく調べる検査です。ごく初期の段階で見つけることも不可能ではありません。

 

卵巣がんが進行する前に発見するためには絶対に欠かせない検査ですから、定期健康診断や人間ドック、子宮頸がん検診を受診する際にはオプションとして経腟超音波(エコー)検査をプラスすることをおすすめします。所要時間は5分ほど、費用はおよそ5,000円ほどで検査が可能です。また、家族に卵巣がんになった人がいるのでより詳しい検査をしたい方は、医師に相談の上、血液検査で腫瘍マーカーを追加してみるのもおすすめです。3,000円ほどで追加できます。

使わない卵巣は休ませて卵巣がん予防を

冒頭でお伝えしたように、現代女性の卵巣は過酷な状況に置かれています。

最近は、卵巣を休ませるという病気予防の観点からピル(経口避妊薬)が改めて注目されています。

ピルに含まれるホルモンの影響で、脳が「すでに排卵後のホルモン状態である」と錯覚を起こし排卵が起こらないため、卵巣が傷ついては修復するの繰り返しを防ぐことにつながるのです。

まずは定期検診、そしてかかりつけの婦人科医に相談して、定期的なチェックを欠かさないようにしていきましょう。