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更年期症状に悩む前に。女性ホルモンマネジメント

  • フェムケア

女性ホルモンの分泌量は、30代後半あたりから徐々に低下し始め、階段を下りるようにアップ、ダウンを繰り返して閉経を迎えます。そのアップダウンをしている期間がいわゆる「更年期」。更年期は誰もが通る期間ですが、症状が重く出る人もいれば、とくに気にならず過ぎていく人もいるそうです。

女性ホルモンが減少の道をたどることはわかっているので、であれば、それに合わせた対処の方法をしませんか?というのが、「女性ホルモンマネジメント」という考え方です。

不足した分の女性ホルモン(エストロゲン)を外から補うことで、更年期のさまざまな症状を改善し、対策することはできます。

最近は症状緩和のためのいろいろな方法がありますから、女性ホルモンについて知ることは、自分を守ることでもあります。婦人科で受けられる治療から自宅でできることまで、自分のために知っておきましょう。

女性ホルモンの分泌量を調べてみよう

日本人の平均閉経年齢は50歳前後といわれていますが、40歳を過ぎた頃から、少しずつ月経不順などが起こり始める人も少なくありません。

血液検査でホルモンの値を調べることで、更年期かどうかを判定することもできますし、もしホルモン値に異常がなければ更年期以外の疾患の可能性を探るきっかけにすることができます。

 

できれば40歳からは、毎年の健康診断に女性ホルモン検査を追加し、経年変化を追っていくと良いでしょう。検査は採血だけで簡単に調べることができ、費用は複数のホルモンを組み合わせて総合的に診断するため、10,000円~15,000円ほど。より正確な診断のため、経腟超音波とセットで調べることをおすすめしている施設もあります。 

 

なんとなく感じている日々の不調も、検査結果をもとに医師に相談すれば、ホルモン治療やサプリメントの検討など、より自分に合った対策を立てることが出来るようにもなります。

更年期症状の緩和に有効なホルモン補充療法(HRT)

すでに更年期症状がある場合には、婦人科で、ホルモン補充療法(HRT)のアドバイスを受けることがおすすめです。ホルモン補充療法(HRT)は、「エストロゲン」という女性ホルモンを補充することによって、更年期のさまざまな症状を改善する治療法です。

その効果は高く、ホットフラッシュや指先・ひざなどの関節痛といった身体的な症状は、使い始めの1~2週間で改善を感じられることも多くあります。

HRT治療では、飲み薬のほか、貼り薬、塗り薬を処方します。医師が生活スタイルや体質、ニーズも考慮して最適な薬を提案します。

ただし、脳卒中や乳がんの既往歴がある方は使用ができない場合や、子宮筋腫や子宮内膜症のある方はどちらの治療を優先させるか医師の判断が重要になってくるため、希望を伝えた上で、よく相談することが大切です。

 

更年期症状は、特にメンタル面の不調において、ある一定のところを超えてしまうとホルモン補充療法(HRT)では改善が見込めず、抗鬱剤など精神科治療になるケースもあります。

「最近、なんとなくおかしいな」と思うことがあったり、「元気が出ないけど無理してがんばっているな」と感じることがあったら、できるだけ早く婦人科で相談することが大切です。

自分にとって適切な治療法は?

婦人科医師と相談する中で、ホルモン補充療法(HRT)には抵抗があったり、薬に頼らずになんとかしたい、という考えを医師に伝えることはとても大切です。そのためにも医療機関を受診する側にもある程度の知識を備えていることが重要です。

減っていく女性ホルモンを補うには、ホルモン補充療法(HRT)以外にも、女性ホルモンに似た働きをするエクオールや、更年期症状の緩和の漢方があります。この中からどれかを選んだり、組み合わせたり、自分にあった治療法を婦人科医と一緒に決めていけるといいですね。

女性ホルモンの減少やそれに伴う不調は、女性であれば誰もが通る道。つらいことを我慢したり、症状を放置したりせず、自身の希望や症状に合った治療法を選んで、更年期をできるだけ楽に過ごしましょう。