昼間でも夜用ナプキンでないと不安?「過多月経」の症状とは
- フェムケア

20代のころと比べて、生理の周期や経血量が変わったと感じている方は多いのではないでしょうか。
もし「出血量が多く夜用のナプキンでも間に合わない」「出血がダラダラ続く」といった症状に悩んでいるならば、それは「過多月経」かもしれません。
女性ホルモンの減少が原因と考えられている「過多月経」は、特に更年期世代に多いといわれています。
ここでは、過多月経のよくある症状や、その陰に潜んでいるかもしれない病気、婦人科を受診するタイミングなどについてご紹介します。
過多月経を疑う目安は?
過多月経とは、1回の出血量が150ml以上ある状態を指します。しかし、実際にどのくらいの量の経血が出ているかは、なかなか把握しにくいもの。
目安のひとつは、ナプキンを取り替える頻度です。普通の昼用ナプキンで1時間もたないほどの出血量がある場合は、過多月経が疑われます。そのほか、下記のような症状が当てはまる場合は、過多月経を疑ったほうがいいでしょう。
<過多月経が疑われる場合の受診の目安>
□ 昼でも夜用ナプキンを使う日が 3 日以上ある
□ レバーのような血液のかたまりが出ることがある
□ 月経が10日以上続く
□ 激しい月経痛
□ 月経時以外にも出血がある
□ 頻尿や膀胱炎など排尿障害がある
□ 腹部にしこりのようなものがある
診察を受けるのは、出血しているときがおすすめです。診察の際は、基礎体温(記録している場合)のほか、出血量が増え始めた時期、具体的な出血量、経血の状態、月経の周期を医師に伝えましょう。

見逃さないで!過多月経の陰に潜む病気の可能性
更年期の月経の変化には、個人差があります。「これくらいなら大丈夫」と自己判断をしてしまうと、病気を見逃してしまう可能性も。
過多月経の陰に潜んでいる可能性のあるおもな病気としては、次のようなものが挙げられます。
① 子宮筋腫
子宮筋腫とは、子宮の筋肉にできる良性の腫瘍のこと。子宮の収縮機能に影響を及ぼし、厚くなった子宮内膜が月経時にはがれ落ちることから、出血量が増えたり、月経期間が長引いたりすることがあります。過多月経の症状のほか、腰痛や排尿異常などが起こることもあります。
② 子宮腺筋症(しきゅうせんきんしょう)
子宮腺筋症とは、女性ホルモンの影響で、子宮内膜に似た組織(子宮内膜様組織)が子宮の壁(筋層内)にできる疾患です。子宮内膜様組織がはがれ落ちることなく溜まり続けた結果、子宮の壁が厚くなり、経血の量が増えて月経痛が重くなります。
子宮腺筋症になると、月経痛に加えて排便痛や性交痛、月経以外での腹痛が生じることも。初期段階でのさまざまな治療を行っても症状が改善されない場合は、手術(おもに子宮の全摘出手術)が必要になることもあります。
③ 子宮内膜症
子宮内膜症は、子宮内膜やそれに似た組織が、本来あるべき子宮の内側以外の場所(腹膜や卵巣など)にできる疾患です。病巣にできた組織は、月経周期に合わせて増殖と剥離(はくり)を繰り返し、炎症や周囲との癒着を引き起こします。
それが原因で、月経痛のほか、腰痛や下腹部痛、排便痛、性交痛など、さまざまな痛みの症状が現れることも。子宮内膜症を放っておくと、子宮体がんに進行するおそれがあります。
④ 子宮頸がん
子宮頸がんは、性交渉などにより、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することで起こる病気です。初期段階ではほとんど自覚症状がありませんが、進行するにしたがって、性交後の出血、月経時以外の不正出血のほか、おりものの変化や増量といった症状が見られるようになります。出血量が多く、同じ症状を繰り返すのが特徴です。
具体的な症状がなくても定期的な検査を
過多月経の症状は、月経時に不快な思いをするだけでなく、貧血を併発するなど日常生活に悪影響を及ぼす可能性があります。この場合の貧血は、症状がゆっくり進行するため、人によっては貧血状態に慣れてしまい、体調の変化に気付かないことも...。
出血量に変化が見られるときはもちろん、「疲れやすい」「めまいがする」「息切れがする」など、気になる症状が現れたときは、すみやかに医師に相談するようにしましょう。
<こちらもCHECK>
